ブランド力
その名前を聞けば、「歴史あるブランド。オフロード走行に強い。そしてタフ」というイメージが浮かぶ。そして、イメージが世間に浸透しているほど、ブランドはユーザーのライフスタイルの演出に役立つのだ。
つまり、実用品としてだけでなく、ファッションアイテムとしてもジープは価値が高いと言える。もちろん、製品は4WDモデルが中心だ。
デザイン
ラングラーのデザインは2018年11月からは、1987年に登場した初代(YJ型)から数えて4代目となる新型モデル(JL型)が登場したが、驚いたのはデザイン・テイストが旧型そのままであったことだ。
もちろん、中身はすべて新しくなっているのだが、詳しくない人であれば、新型と旧型を見分けるのさえ難しいだろう。それだけ従来のイメージを大切にしているのだ。
そして、実際に、その“古いデザインのまま”のクルマが売れている。
ラングラーは2019年に4873台を販売し、外国メーカー車モデル別新車登録台数順位で16位となった。これは、FCAが販売するクルマのトップとなる順位。
なんと2019年、販売されたジープ車の実に3台に1台がラングラーであったのだ。ジープブランド急成長の理由のひとつになっている。
販売数を伸ばすための地道な努力
さらに「ジープ」の販売好調の理由として、販売網の充実化も見逃せない。FCAジャパンは、2016年より、日本国内の販売店に新しいコーポレート・アイデンティティ(CI)を導入
さらに拠点数も拡大し、2016年には69拠点であったものを、2020年1月には80にまで拡大。2020年中には90拠点に増やし、そのうち75拠点で新CIを導入する計画であるという。
ブランドを守り、魅力的な新型を定期的に投入し、販売網を充実させる。ジープが行っていることは、いわばモノを売る基本そのものだ。それを、しっかりと続けたことが、10年間で13倍というジープの成功の理由と言えるだろう。